シンガポール日本人墓地に行ってみた

Snapseed-0.jpeg

この前記事にした「シンガポール謎解き散歩」でも紹介されていた在シンガポール日本人墓地公園。ずっと気になっていたのですが、ついに昨日友人とともに花を手向けに行くことができました。

漠然ともっとずっと郊外にさびれた状態であるものと思っていたら、僕の通勤経路でもあるセラングーンMRT駅からバスで十五分ほどの場所にかなり立派にございました。

IMG_0230.JPG
ここには様々な日本人が埋葬されているのですが、最初に話題に上るのは名を語られぬ女性たち「からゆきさん」。

当時の中国「唐(から)」にわたっていった(ゆき)女性たちで、主に売春を生業にしていた人達です。当時の日本は工業化により世界に通用する産業が興る一方で、地方にはまだ発展途上国としての一面をのこしていたのです。こうした貧しい地方に生まれた女性たちが、祖国を遠く離れユーラシア大陸最南端で暮らしていたのです。

まずは彼女らの行動力に驚きました。

彼女らの墓のごく一部は立派な墓標があるものの、多くは質素な墓石が突き立てられているだけ、またはコンクリートで固められただけのものまでありました。当時の困窮を生々しく物語ります。

Snapseed-2.jpeg

その当時、病気などでシンガポールの地で命を落としたからゆきさんの遺体は無惨に打ち捨てられていたそうです。この惨状に心を痛めた実業家「二木多賀治郎」という人が、自分の所有するゴム農園の一角を日本人墓地として提供し、当時の植民地政府に墓地として承認を得ます。この二木氏が中心となり現在にも続くシンガポール日本人会に発展していくようです。

この日本人会、今年ちょうど設立100周年。シンガポールの独立が50年前ですから、日本人とシンガポールの土地の関わりがいかに古くから続いているか感じ取ることができます。

そして同邦のために私財を投じて貢献する二木氏の心意気に感動です。

他にも蚊取り線香で財をなし、不運な飛行機事故によりシンガポールで命を落とした実業家、太平洋戦争中に南洋にて戦死した軍人様。さらには敗戦後に戦犯として処刑された人達までここで眠っています。

Snapseed-1.jpeg

その中で僕が興味を持ったのが山本音吉という人物。まず、英語名がジョン・M・オトソン。…かっこいい。僕もちゃっかりイクソン(Ixon)とか名乗ろうかしら。生粋の日本人がなぜ英語名などもっているのかというと、この人はジョン万次郎のような来歴をもっているのです。

もともとは愛知県の船乗りだった彼は航海中の嵐で船が漂流してしまいます。そのまま1年以上太平洋をさまよい、なんとアメリカ・ワシントン州に漂着するのです。なぜかこういう運の良い人は仕事もできるようで、流れ着いた全くの異国の地で一儲けし、日本への帰国を試みる機会に恵まれます。

大西洋周りで結果的に世界を一周し日本にたどり着いたオトソン氏。ところが当時の日本は絶賛鎖国中。パスポートや身分証のない時代でもあり、祖国を目の前にして帰国はかないませんでした。

なんという人生。。。

それでも彼はへこたれず上海を経て交易都市シンガポールに移り住み、ここに定住した最初の日本人となります。しかし、彼の偉業は歴史に埋もれてしまい、人知れずここで激動の人生を終えたのです。

で、時は2004年。調査の結果、シンガポールのキリスト教墓地にひっそりと埋葬されているのが発見され、日本人墓地に石碑が作られるとともに遺骨は火葬され実に173年ぶりに里帰りを果たしたとのこと。

なんという人生。かっこよすぎるオトソン。。。

Snapseed.jpeg

最後に、この日本人墓地を管理運営してきた方々に感動しました。公園として整備された墓地内はピンクの花を咲かすアーチがあり、曹洞宗の禅寺、お地蔵さんなどもみることができます。僕らが参拝に行ったときにはシンガポール人と思われるカップルが何組か散歩していたり、「墓地」という重苦しい印象はまったくありませんでした。

都心部から45分ほどで到着しますのでご興味を持たれた方は週末の散歩に訪れはいかがでしょうか。

シンガポール日本人墓地公園
The Japanese Cemetery Park

Serangoon MRT駅3番バス乗り場からバス103か147で北に約15分。

Share

  • Add this entry to Hatena Bookmark

Follow Me

Comments

  1. […] シンガポール日本人墓地に行ってみたこの前記事にした「シンガポール謎解き散歩」でも紹介されていた在シンガポール日本人墓地公園。ずっと気になっていたのですが、ついに昨日友人とともに花を手向けに行くことができました。漠然ともっとずっと郊外にさびれた状態であるものと思っていたら、僕nameless.life […]