永住権に有効期限があるって永住権じゃないじゃん

シンガポールで出稼ぎ

こんにちは。いくさんです。最近、いろいろとやる気が出てきて、テーマを思いつく度に文章にしてます。

さて、前回の記事でシンガポールのなんちゃって永住権(PR)は昨今非常にとりにくく、僕のようなヘタレ現地採用が取得するにはシンガポール女子と結婚するしかないというお話をしました。

そうすると、最初の数年だけ良き夫を演じ、頃合いをみて離婚。永住権だけが手元に残るというヨコシマな男が現れるでしょう。シンガポール政府は非常に聡明で、こういうアホが2秒で思いつく抜け穴はあらかじめ周到にふさがれております。

事実上、婚姻関係をもとにして取得した永住権は、シンガポール人配偶者の意のままに取り消されてしまう可能性があるのです。PR保持用件に「円満な家庭生活を維持すること」と明記されているため、離婚に至らずとも「円満でない」と政府に判断される事象が発生したら即無効になってしまう可能性があります。例えば、妻から家庭内暴力などで訴えが出された場合、まず間違いなくシンガポールに住み続けることができなくなります。

 

この夫婦間不平等条約は、ただでさえ気が強いシンガポール女子にさらに強力な権限を与えることになります。知り合いの台湾夫xシンガポール妻の夫婦など、目も当てられないほど尻に敷かれ、家事代行機能付きATMに成り下がっております。

もう、あんなケースを目の当たりにするとシンガポール女子との結婚に幸せな展望を抱けないいくさんなのです。

 

まぁだとしても何とかして永住権(PR)を取得したとしましょう。これで日本とシンガポールの二つの故郷を得たわけで、自分の都合によって滞在期限に縛られず両国を行ったりきたりできます。

 

2年間は。

 

そう、シンガポールのなんちゃって永住権(PR)には有効期限があり、最短2年、最長5年ごとに更新の手続きをしに政府機関へ赴かなくてはいけないのです。

※更新が必要なのはPRに付帯する再入国許可ですが、これが失効すると自由に入国できなくなる以上、PRと同義として書いています。シンガポール大使館のWebサイトにもこの旨記載あり。

※手続きはオンラインで出来ます。居住実績がない場合など、更新が却下された場合は来星して政府機関に行く必要があるようです。

 

すなわち、居住実態、納税実績、素行などが厳しくチェックされ、準国民として政府のおめがねにかなわぬ場合は取り消しの憂き目にある可能性が常にあります。なので、転勤や親の介護、子供の教育のため、数年間シンガポールを離れて居住せず納税もしなかった場合、次の更新で著しく不利になる可能性があるのです。

こんなの永住権ではありません。単なる数年間の滞在許可証にすぎません。

 

さらにです。シンガポール政府の位置づけでは、PR保持者はシンガポール国民になる前段階にある人です。従って、PRを取得すると居住実績や納税記録などを元に「シンガポール国籍取得への招待状」が届きます。

すばらしい。これで日本・シンガポールの二重国籍

が、世の中そんな甘くないのです。

二重国籍を厳格に否定しているシンガポールにおいて、国籍をとるには日本国籍を離脱したことを証明する必要があるのです。

日本を「外国」にする勇気を試されるわけです。南北に広大な領土をもつ日本を捨て、東京23区程度の小島に人生を託す意味がどれほどあるのか。

ほとんどの日本人はこの条件を飲むメリットを見いだせないでしょう。そうすると、この「国民への招待」を無視し続けることになります。これは次のPRの更新時に不利に働きます。

 

なんということでしょう。この国に文字通り身も心も捧げ、政府にせっせと納税という名の貢ぎ物を送り続けない限り、永住権を維持できないのです。

これが高福祉国家なら、価値を見いだすこともできます。働けるうちにたくさん納税するけど、老後の心配にシンガポール政府が責任を持ってくれるなら、ある意味赤道直下の北欧といったところでしょう。

ところが当然、シンガポールは自己責任国家です。

昨年、いくさんはシンガポールの中産階級以下が入居している老人介護施設でボランティアをしたことがあるのですが、ほとんど乳母捨て山な様子に絶句しました。ここの福祉レベルは残念ながらいろいろ批判のある日本よりさらに下。

CPFという年金制度のようなものは一応あるのですが、これは現役時代の給料から強制的に天引きされた自分の貯蓄を使う権利にすぎません。しかも医療が高額なシンガポールでの介護費用をまかなうには不十分のようで、これがシンガポール人自身が老後に国を出たい大きな理由です。

まとめると、

1)期限付き永住権(PR)取得は昨今非常に困難
2)PRを維持するのも困難
3)老後に安定収入なくシンガポールに居住するのはシンガポール人でさえも困難

よって、シンガポールに文字通りの永住権は存在せず、それに近い制度であるPRは一般的な日本人には取得するメリットがないという結論に至ります。

これが、僕がシンガポールで働き続けることに不安を感じる要因の一つです。

 

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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