キアス化するわたし? シンガポール人の国民性

シンガポール生活

典型的なシンガポール人の国民性として、よく「キアス」という言葉が使われる。シンガポールに移ってくる前にも、シンガポールについて調べているときに何度も目にした。

実際2年半住んでみて、このキアスな気質は、確かにシンガポール人(特に中華系)の特徴をよく表す言葉の一つだと実感する。

もちろん全員がそうなわけじゃないけどね!

詳しくは、いくさんがキアスについて、面白く記事にしてくれているのでぜひお読みください。

シンガポール人気質「キアス」
日本でいう「本音と建前」みたいな国民性をあらわす言葉がシンガポールにもある。それが「キアス」。福建語由来の言葉らしく漢字で書くと驚輸、英語だとKIASUで、Wikipediaにも項目がある。「負け組に堕ちる恐怖心」と解説されるキアスだけど、僕の感覚だとこんな感じ。 まわりを出し抜いて勝ちたい まわりを出し抜いて得したい...

キアス(Kiasu)ってなに?

もともと福建語のこの言葉。英語で意味を調べてみると以下のような感じ。要するに

  • 負けるのが嫌だ
  • 損をするのが嫌だ
  • 誰かより劣っていることを認めたくない

っていうイメージ。

  • Afraid to lose out
  • Competitive to the point of doing anything just to win
  • Cannot bear to lose

日本では、自信を持った態度とか競争心を人前に出すことが良しとされていないから、どちらかというとこのキアスの真逆にあると思う。謙虚すぎるのもたまにもったいないなと思うけど。

私も日本で生まれ育った人間として、シンガポール人のキアスな気質が、最初シンガポールに来た時には非常に慣れなかった。いや今も慣れない。っていうのも自分はキアス化したくない、っていうはっきりした意識があるから。

正直キアスは「自分が得をできればいい」っていう、自己中心的な考えの極みな気がするし、周りのみんなを敵にするマインドを生んじゃうと思う。平和主義者の私の性にはちょっと合わない。

でもこれがうっかりすると、周りの調子に流されて、自分もキアス化しちゃうんだな。そうなると、自分の意図に反して、自信過剰なガツガツ系女子に出来上がってしまう。

それはあかん。

キアス化に対抗するぜ

自意識過剰ガツガツ女子になるのはどうしても避けたいので、キアス化に対抗する手段として、最近意識的にしていることが一つある。私の経験上、多くのシンガポール人はこれが非常に下手。だから逆にこれが上手くできれば、他の人に良いイメージを持ってもらえる気がする。

その必殺技は「褒める」こと。

キアスな性格の人は、他人が自分より優れていることを認めたくないので、褒め言葉をめったに口にしない。シンガポールに来て驚いたのは「悪くない(not bad)」という表現を頻繁に耳にすること。素直に「良い(good)」と表現することを、多くのシンガポール人は避けている気がする。

例えば、「それ、おいしい?」とシンガポール人に質問をすると、8割の確率で「Not bad」という返答が返ってくる。個人的には、素直に「うん、おいしい」となぜ言えないのかなって、少しもやもやしてしまうこの返答。

経験上、人から褒められることが気分の良いことだと知っているからこそ、個人的には、良いものは良いと素直に言葉にして表現することを、いつも心がけている。例えば、人から「あなたのヘアスタイル好き!」と言われた日は、とっても気分良く過ごせたりする。

褒め言葉が、誰かの1日の幸福感を高めるのなら、私は積極的に褒め言葉を口にしたいと思う。

もちろん、嘘でお世辞を言うっていうことではなくて、本音で良いと思ったものに対しては、っていうことだけど。

アメリカに住み始めたばかりの頃、何百人っていう生徒がいる講義で、たまたま隣に座っていた女の子が通りがかりに「おしゃれなズボンだね!」って、私のファッションを褒めてくれたことがあって、その瞬間アメリカって素晴らしい!って感動したことを今でも覚えている。それまでの人生で、知らない他人から褒め言葉を言われたことなんかなかったから。

褒めの効果

キアスな人が多いシンガポールでは、人から褒められる機会が少ない。普段意識しているわけではないけど、考えてみると、西洋人の友人と比べてシンガポール人は褒めることがあまり上手じゃないように思う。まぁ褒める点が特にないっていう自分の問題なのかもしれないけど(爆)

でもシンガポール人が普段お互いのことを褒めることがあまりないからか、私が彼らのことを褒めると、少し動揺しつつも、喜んでくれたり、私に対しても好感を持ってくれることが多い気がする。

これは世界共通、人間の性質だと思うけど、褒め言葉を自分に対して言ってくれた人に対しては、好印象を持つし、その人に対して何か良くしてあげたいという気持ちを持ったりもする。と、思いませんか?それに、誰かのことを褒めると、褒め言葉が自分にも返ってくることがある。褒め言葉って素晴らしい!

目指せ褒めマスター

洋服や髪型、時計なんかは褒めやすい対象。そこから始めるのも良し、国際A級褒めマスター(補足情報:いくさんは国際A級非常階段マスターらしい)を目指すなら、その人個人にもっと直結した褒めどころを探してみると、より高ポイント。

例えばその人の特技とか、表情とか、性格とか。個人的には「あなたの笑ってる顔が好き!」とか、結構心に響く。あとは、「あなたの撮る写真が好き!」とか。結局洋服とかアクセサリーは、他人がデザインした作品をお金を払って得ただけなので、その物自体を褒められたところで、自分自身が褒められている気がしない時がある。だから、自分自身に関することを褒められると、すごく嬉しい。

さらに上級レベルだと、褒め言葉と感謝の言葉を合わせてみると、何か魔法が起こるかもしれない。「あなたって本当に聞き上手だよね。あなたと一緒だと、気分良くたくさん話しちゃう。いつも私の話を聞いてくれてありがとう!」。そんな些細な一言でも、それを言葉にして本人に伝えることって、簡単なことのようで忘れがち。これをもっと日常的にできれば、自分の心も、その人との関係も、いい方向に変えられるんじゃないかな。

まとめ

褒め言葉って素晴らしい。こんなこともシンガポール生活を送っていることで気付かされたこと。こういう文化的な気づきがいつも面白い。

これからもキアス化に対抗して、人の幸福度にちょびっとでも貢献していきたい。

※この記事は私の個人的な経験、意見に基づいての内容ですので、悪しからず!

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