バリカンを導入しようと思う

オランダ生活

仕事があまりにも忙しい。

もはや何故オランダにいるんだと自問自答する日々。毎日一歩も外に出ず、出てもゴミ捨てと生活物資調達のためにスーパー往復とか。

幸いある程度都会に住んでいるので、それでもある程度は街の雰囲気を楽しめるけど、これじゃバンコクやホーチミンとかの安宿を寝ぐらにしてた去年とあんま変わらんじゃんかと。

というわけで2週間がかりのデカい仕事を納品したテンションで、久しぶりにロッテルダムの中心街に繰り出した。家から15分くらいなのだけど。

オランダ人はカフェが大好きらしく、日本で言えばコンビニくらいの密度でカフェがある。なんも考えずに「エーン ズワルト コーフィ」という唯一覚えたオランダ語でブラックコーヒーを頼み、どんよりとした冬の往来が見える窓際に陣取って、ピコピコとこの文章を書いている。

毎日朝から晩まで仕事ばかりしていると、ふと3時間くらい空いた時に何をしたら良いのか見失ってしまう。

自営業の社畜ほど救われない存在もなかろう。

さて何をしようか。

東京なら大型書店を冷やかしに行くところだ。ところがオランダ語の本屋に行っても今の語学力じゃ絵本も読めない。いや「ぐりとぐら」とか「はらぺこ青虫」とか、なんと無く内容を覚えてる絵本のオランダ語版とかで勉強するのも悪くないか…。でも僕が習得したいのは読み書きってよりは会話なんだよなぁ…

というわけで次に浮かんだ行先は家電量販店。お目当てはバリカンである。

ししもんは床屋が大嫌い。

じっとしてなきゃならんってのはもちろん、髪型とかマジどうでもいいのに「今日はどうなさいますか」とか「もみあげはどうなさいますか」とかの会話に対して認知応答するのがダルい。不本意な神経活動により、脳内のシナプスがブチブチと音を立てて抗議のアポトーシスをするのだ。

床屋こそが認知症の原因なんじゃないか。

じゃあ自分でバリカン坊主にすればいい。床屋に失礼だ。

僕だってそれをずっと望んできた。10年くらい。

ところが東京でのシェアハウス暮らしを含め、僕には「自分専用の風呂」ってヤツが10年間も無かったのである。

それに加えて僕は掃除が大嫌い。髪を刈るだけ刈ったらそのままシャワってキレイさっぱり出てきたい。僕の目的は髪を短くすることであり、それ以外の雑事をする意味がわからない。

こんな自分勝手なヤツが共同の風呂で散髪などしようものなら、一面を髪の毛だらけにして、排水溝をつまらせ、共同生活の微妙な人間関係にメガトン級の亀裂を生じさせよう。

というわけで、これからロッテルダムの家電量販店に突撃する。バリカンと、僕の代わりに散らばった髪の毛を回収してくれる哀れなロボット掃除機君を買いに行くのだ。

意味もなくオランダに自分専用の風呂を確保した今、10年越しの理想を叶えてやる。

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